ピアノを習い始めました。
10年ほど弾かれていなかったピアノを譲り受け、調律をしてもらいました。「とにかく弾いてあげて下さい」と調律師さん。せっかくなのでピアノ教室に通うことにしました。ピアノは全くのド素人です。初回のレッスンでは手の形や置き方、指の動かし方、椅子の座り方など、イロハのイから教えてもらいます。
「指は真っすぐ伸ばすのではなく、軽く曲げて。」
「指の腹ではなく、指の先端で。」
「指を持ち上げる時は、足で腿上げをするようなイメージで。」
「椅子は浅く腰かけて、いつでも立ち上がれる感じで。」
ふむふむ、なるほどと思いながら、先生の指示に従い、教本に沿って指を動かします。
楽譜の上下には数字が振られています。上の数字は右手で、下の数字は左手。番号は右手も左手も親指が1、人差し指が2、中指が3、薬指が4、小指が5です。両方の掌を下にして並べると、内から外へと1から5です。
ピアノの鍵盤に指を置くと、右手は親指がド、左手は小指がド。数字は右手の親指は1、左手の小指は5。ドレミファソは右手が1、2、3、4、5で、左手は5、4、3、2、1。音符、上の数字、下の数字、右手の動き、左手の動き、混乱が生じます。
あ、間違えた。あっ、また間違えた。
右利きの私の左手は、ぎこちなく動いています。
「まず右手で弾いて」「次に左手で弾いて」「次は両手で弾いて」
「これはまず左手で弾いて」「次に右手で弾いて」「次は両手で弾いて」
「今度は最初から両手で弾いてみて」
混乱、混乱。
拙すぎるピアノを弾きながら、子ども達の体の使い方が頭をよぎります。体の中枢から末梢へと、分離した動きを獲得していく過程を思い出します。子どもが新しい動きを経験していくように、私もこれまでやったことのない動きを経験中です。子どもが脳内に新しい神経回路を作っていくように、私の頭の中でも新たな回路が作られつつあります。2回目のレッスンに向けて、新たな回路が開かれるイメージをしつつ指を動かす日々です。あっ、また間違えた。
皆さんも新しいチャレンジいかがですか?