日曜日、道を歩いていたら前方右側からベビーカーを押す男性がやって来ました。少し前をゆっくりと進むベビーカーの持ち手に、明るい黄色が印象的な絵が描かれた、青いバッグがぶら下がっています。追い付いてみると絵はゴッホの『夜のカフェテラス』。
絵を眺めていて、ふとバッグからのぞく絵本が目に入りました。『はらぺこあおむし』のタイトルと見覚えのある絵。他にも数冊の絵本が入っています。図書館に近い道の上だったので、おそらく借りた本を返しに行くところなのでしょう。
どんな子がこれらの絵本を読んでもらったのか興味が湧いて、追い越しざまにちらっと眼をやりました。乗っていたのはムチムチとした7-8ヶ月くらいの赤ちゃんでした。お父さんの膝に抱えられて、絵本を読み聞かせしてもらっている赤ちゃんの姿が思い浮かびます。
言葉の獲得は、まず「聞く」から始まるといいます。赤ちゃんは胎内ですでに言葉を学び始めています。羊水やお母さんの腹壁を介して色んな音を聴いています。安全に守られていたお腹の中から外へと出ると、赤ちゃんは洪水のような様々な音に晒されます。音の洪水の中から、赤ちゃんはお腹の中で馴染んでいた母語に強い関心を示します。
そして色んな人に話しかけられたり、周囲の人たちの会話を聞いたり、読み聞かせをしてもらったりして、どんどん言葉(母語)に親しみ、覚えていきます。「話す」のは十分に聞いた後です。
休日に赤ちゃんと一緒に図書館に通うこのお父さんは、赤ちゃんに沢山の豊かな言葉を語り聞かせているのかな?おそらく。願わくば。
こんばんは。
空気は冷たいものの、よく晴れて夕日も美しい温泉津です。
今日は感覚と環境について書こうと思います。
3歳の男の子がお母さんと一緒に発達相談に来ました。
落ち着きがなくて困っている、とお母さん。
とにかく常に動いていて、危険な行動もあるとのこと。
ご飯は一口食べては、食卓を離れる。
戻って来て食べるものの、結局途中からは食べさせることに。
遊びが転々として、集中して遊ぶことはあまりない。
スーパーなどに買い物に出掛けると、
ターッと一人で行ってしまい、
追いかけられることを楽しんでいる。
高いところに登るのが大好きで、いつの間にか、
椅子、棚、柵、塀の上などに登っている。
言葉に関しては、ゆっくりで1歳半健診では出ておらず、
2歳で単語、その後割とすぐに二語文が出るように。
診察室にはご機嫌で入室。
玩具のカゴに気付くとサーッと寄って、遊び始めました。
車の玩具、型はめ、ボール、絵本、積み木・・・。
次々と出しては、また次の玩具へと注意が移ります。
目に入ったものにサッと寄って行っては、手に取ります。
動きは俊敏ですが、手の使い方には不器用さが感じられました。
お母さんとの話が終わり、男の子に声を掛けます。
終わったよ。
パッとこちらを見て、お母さんの傍に寄ります。
もう帰る?
帰るよ。片付けようか。
ターッと走って行って、ボールなどを集めます。
バイバイの声掛けで、チラッと振り向き、
手を振りました。
人の感覚は色々ありますが、
視覚情報に注意が向きやすい子は多いです。
目に入った物に次々と注意が移ってしまい集中が難しい。
好奇心旺盛で、やってみないと気が収まらない。
感覚の入り方や捉え方に、性格も相まって、
その子の行動や振る舞いが現れます。
視覚情報に注意が向きやすいのであれば、
場面によっては、
入る視覚刺激を制限してあげることが必要です。
物が沢山あると、それだけで刺激になってしまいます。
それに、新しい物や興味を惹きつける物があると、
触ってみたくなるでしょう。
この子はまだ、
要らない情報を無視することが難しいのかも?
入って来る情報に翻弄されているのかも?
と思えたら、
その子に合わせた
環境を整えることが出来ます。
もちろん、整えたからといって、
すぐに落ち着くわけではありません。
環境を整え、教えつつ、成長を待つ
というスタンスが、必要じゃないかな?
と思っています。