今回は、言語外の領域で考える、ということについて書いてみます。
人は、考える時に脳内で膨大な量の情報を処理しているけれど、言葉に出来るのはそのうちのほんのわずかな部分でしかないと聞きました。
へえ、そうなのかと思っていたところ、確かに人は言葉以外の領域で沢山のことを考えていると実感したエピソードに遭遇しました。
乳児さんが離乳食を食べる時の口と舌の動きを確認したくて、保育園を訪ねた際に0歳児の部屋でお昼ごはんの様子を見学させてもらいました。
10カ月の子が嬉しそうに、ご機嫌でお昼ごはんを食べています。
保育士の先生が、ごはんやおかずをスプーンに掬って口元へと運ぶと、口を開けて待ち構えています。パクリとスプーンをくわえて、上手に口の中に取り込みます。もっとちょうだい、あれがたべたい、と仕草や声でアピールします。
私も食べさせてみようと、保育士の先生に代わってもらい、スプーンで掬ってごはんを口元へと運びました。
私がスプーンを持った時点で怪訝な顔をします。絶賛、人見知りの時期です。当然でしょう。
とはいえ、怪訝な顔をしながらも口元に運ばれたスプーンに向かって口を開け、体を乗り出しました。
が、ピタッと動きが止まりました。口を開けたまましばらく躊躇したあと、口を閉じて体を引いてしまいました。スプーンを近付けても、もう口を開けてくれません。しまいにはプイっと横を向いてしまいました。
この間、この子の頭の中では色んな思いや考えが行き交ったはずです。
言葉にしてみるとこんな感じでしょうか?
ごはんおいし~♪
えっ?なに?このひとがたべさせるの?
え?だれ?なんで?だいじょうぶ?え?え?
あ、ごはんきた。
あ~、、、(ん)ちょっと、いやかも?
う~ん、なんかいやなきもち、、、。
どうしよう?ごはん、たべたいけど、、、。
やっぱりむり!たべたくない。
いやだ、たべないっ!
ぷいっ。
分かる言葉が徐々に増えてきているとはいえ(「まんま」「バイバイ」「ちょうだい」などに反応してくれます)、上述のような言葉は恐らくまだ身に付いていないだろうと思います。
けれど、この子が「考えていた」ことは間違いないでしょう。言葉にならない領域で目まぐるしく考え、結果として行動を決めたはずです。(食べたい、けど、食べたくない!プイッ)
確かに言葉にならない領域で、膨大な量の情報が行き交っている、と実感させてもらったエピソードでした。
子どもの発達過程は本当に興味が尽きませんね。
誘われてバイオリンのコンサートに出掛けました。
座席は前から7列目の真正面。
演奏者の表情も仕草もバッチリよく見えます。
聴いたこともない曲が様々、ピアノの伴奏と共に、表現豊かに演奏されていきます。
印象的だったのは、バイオリンも全身を使って弾くのだ!ということ。
以前、プロのピアノ演奏を間近で見て、ピアノは全身で弾くものなのだと知って驚いたのだが、バイオリンもそうでした。
足をぐっと踏ん張り、時に仰け反り、時に前傾したり。
そして、手。
細かく激しい手の動き。
右も左も大忙し。
特に左手指は目まぐるしい。
ふと、最近聞いた話を思い出します。
バイオリン教室に通い始めた子ども達に、どう教えて行ったらいいか?先生が四苦八苦しているとのこと。
左手でバイオリンを持って、右手で弓を持つ。
素人でも何とな~く知っている、あの構えが出来ない子が増えているのだとか。
左の掌を自分の方に向けて、バイオリンの先の方を持つことが難しく、何とか持とうとすると腕が上がり姿勢が崩れてしまい、弓が扱えない。
と聞いたけど、一体どんな格好になっているのか?想像が付きません。
日常生活が便利になり、遊びの内容も変化して、手首を捻ったり、捻ったまま維持したり、柔軟に手指を動かしたり、といった経験が、昔に比べて減っている現代。
楽器を習うにも、まず基本の構えが出来る体作りから始めないといけないのかも。
などと、ふわふわと意識が逸れつつ、素晴らしい響きを全身に浴びてきました。
やはり生の音はいいですね。
皆さまも機会がありましたら、ぜひ親子で、あるいは一人ででも、楽器が奏でる生音を浴びにお出かけしてみて下さいね。
私のピアノは課題曲をもらって難渋しながら取り組んでます。
バッハのメヌエット、何て難しい曲!