ここ何年か、健診の場で「頭の形が気になる」という声を聞くことが増えました。
以前はほとんどない質問でしたが、近年、子育て世代の間で話題になっているのでしょうか?
頭の形を整えるヘルメット療法も広く知られるようになり、頭の形外来もポツポツと増えてきたと感じます。
では、どういう頭の形が気になるのか?
圧倒的に多いのは、左右どちらか片方の後頭部がペタンコになっている。
次いで、後頭部がペタンコで、いわゆる絶壁になっている。
その他、頭が前後に長い、こめかみ部分が凹んでいる、おでこが出ている、後頭部に凹んでいるところがある、などなど。
赤ちゃんは、これからどんどん大きくなっていく存在です。
健診では、身長、体重、頭囲を計測しますが、通常まず大きくなるのは頭です。
赤ちゃんは、頭→身長→体重、の順で大きくなっていきます。
赤ちゃんの頭の骨は柔らかいので、ずーっと同じところに圧がかかり続けると、その部分は平らになってしまいます。
丸めた粘土を平らな板の上に置いたら、板に接している部分は平らになりますよね?
重力が働いて、粘土全体の重さが、板と接している部分にかかってきます。
同様に、赤ちゃんの頭にも重力がかかります。
となると、例えばずっと右を向いていたら?頭の右側は平らになりますよね。
赤ちゃんは、何としてでも頭を大きくしたいので、圧がかかっていない部分で大きくするしかありません。結果として頭の形は真ん丸ではなくなってしまいます。
頭の骨のどの部分にどのように圧がかかっているのか?が、頭の形を決めていくことになるのですね。
ここで絡んでくるのが、持って生れた性格と、筋肉の質などの体質。それに加えて環境です。
例えば、おっとりしていて筋緊張が低くて柔らかい赤ちゃんだと、あまり動かず静か~に上を向いたまま、だったりします。
「静かにしてくれてて、ありがたいわ♡」と放っておかれると、ますます上ばかり向くことになります。
結果として後頭部がペタンコの絶壁になりますね。
あるいは、好奇心旺盛で右向き癖のある赤ちゃんの、右側に色んな刺激があったら?
ベビーベッドの左側は壁。そっちを向いてもツマラナイ。
一方、右側には人がいる、右側で物音がする、右から話しかけられる、右の方が明るい、右側に気になるものが沢山ある!
断然、右を向きたくなりますよね?
結果的に右の後頭部がペタンコになります。
つまり赤ちゃんが持って生れた性質に、周囲の環境も大きく影響するのですね。
変形が強くなると、ますます頭の向きが固定されて、更に変形が強くなっていくこともあります。
これから、どんどん発達していく赤ちゃんにとっての理想はやはり、できるだけ左右差のない姿勢と体の使い方、です。
赤ちゃんをよくよく見て、どう関わり、どう環境を整えたら、右も左も大きな差がなく自在に使えるようになるかな?と試行錯誤してあげてほしいなと思います。
ただし、中には頭蓋縫合早期癒合症といった頭蓋骨の病気のこともありますから、頭の形が気になったら一度かかりつけの先生に診てもらって下さいね。
誘われてバイオリンのコンサートに出掛けました。
座席は前から7列目の真正面。
演奏者の表情も仕草もバッチリよく見えます。
聴いたこともない曲が様々、ピアノの伴奏と共に、表現豊かに演奏されていきます。
印象的だったのは、バイオリンも全身を使って弾くのだ!ということ。
以前、プロのピアノ演奏を間近で見て、ピアノは全身で弾くものなのだと知って驚いたのだが、バイオリンもそうでした。
足をぐっと踏ん張り、時に仰け反り、時に前傾したり。
そして、手。
細かく激しい手の動き。
右も左も大忙し。
特に左手指は目まぐるしい。
ふと、最近聞いた話を思い出します。
バイオリン教室に通い始めた子ども達に、どう教えて行ったらいいか?先生が四苦八苦しているとのこと。
左手でバイオリンを持って、右手で弓を持つ。
素人でも何とな~く知っている、あの構えが出来ない子が増えているのだとか。
左の掌を自分の方に向けて、バイオリンの先の方を持つことが難しく、何とか持とうとすると腕が上がり姿勢が崩れてしまい、弓が扱えない。
と聞いたけど、一体どんな格好になっているのか?想像が付きません。
日常生活が便利になり、遊びの内容も変化して、手首を捻ったり、捻ったまま維持したり、柔軟に手指を動かしたり、といった経験が、昔に比べて減っている現代。
楽器を習うにも、まず基本の構えが出来る体作りから始めないといけないのかも。
などと、ふわふわと意識が逸れつつ、素晴らしい響きを全身に浴びてきました。
やはり生の音はいいですね。
皆さまも機会がありましたら、ぜひ親子で、あるいは一人ででも、楽器が奏でる生音を浴びにお出かけしてみて下さいね。
私のピアノは課題曲をもらって難渋しながら取り組んでます。
バッハのメヌエット、何て難しい曲!